桔梗色(ききょういろ)

桔梗

お花屋さんに、桔梗が並ぶ季節になりました。梅雨の頃から夏の暑い時期に出回り、涼しそうな花の色に惹きつけられます。この花を見つけると、夏が始まる気分になるのですが、実は秋の七草に選定されています。誰が選定したのかというと、万葉集の中で、山上憶良が歌ったというのですから、そんなに昔から日本で鑑賞されていたのですね。

「秋の野に 咲きたる花を 指折り(およびをり) かき数ふれば  七種(ななくさ)の花」
「萩の花 尾花葛花 撫子の花  女郎花 また藤袴  朝貌(あさがお)の花」
どこに桔梗があるの?と最初思ったのですが、当時は「朝貌(あさがお)」と呼ばれていたようです。「尾花」は、今のススキの事ですよ。

桔梗は、この写真のような青紫の他に、白や縞模様の花もありますが、色名では、実際の花の色よりも、濃くて青みの強い紫を指しています。平安時代には、この色名が使われていて、襲の色目というお姫様のカラーコーディネートにも登場します。当時は、秋の色とされていました。江戸時代にも流行したそうです。

大昔から日本に自生しているお花は、さすがに生け花や和風のアレンジメントにピッタリです。もちろん、この色を活かした涼しげな洋風アレンジも、OKですよ。ただし、このお花、切花で使うと水が下がりやすいので、しっかり水揚げしてから使ってくださいね。

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