紅(くれない)

フレッシュフラワー アレンジメント 紅花 ヒマワリ

夏のフラワーアレンジメントの名コンビ、ヒマワリと相性バツグンの「紅花(べにばな)」をご存知でしょうか?花弁の先っぽがオレンジ色のこの可愛いお花は、エジプト原産で、6~7世紀に中国から日本へ入ってきたそうです。「紅(くれない)」という色名は、この花の色ではなくて、この花で染めた鮮やかな赤のことを指しています。日本の色名は、染色に由来するものが、とても多いのですが、「紅(くれない)」は、その中でも代表的な存在です。4千年以上前に、エジプトのミイラが紅花染めの布に包まれていたというから驚きです。まさに、人類の歴史とともに歩んできたような染料ですね。

1856年に「モーブ」という紫の合成染料が開発されるまでは、世界中で、もちろん日本でも、天然の染料や顔料を様々工夫して使っていました。「藍」は青い染料ですが、昔は染料の事を藍と呼んでいたそうです。「呉(中国)から伝わった藍(染料)」なので、「くれあい」→「くれない」と言われるようになったそうです。この染料、江戸時代には、とても貴重だったので、紅花だけで染めた色を「紅色(べにいろ)」「真紅・深紅(しんく)」などと呼んで、他の赤と区別していたようです。スオウやアカネなど、他の染料で染めた赤は、「似紅(にせべに)」なんて言われていたそうですよ。なにしろ、高かったみたいです。

紅花は、染料として用いられる他、画料や化粧品、漢方薬、紅花油としても使われています。洋名はサフラワー、また別名「末摘花(すえつむはな)」とも呼ばれています。源氏物語に登場するお姫様「常陸宮姫」は、鼻が赤かったから「紅鼻」→「紅花」→「末摘花」というニックネームがつけられていますよ。フラワーショップでは6月頃に出回るので、来年まで出会えないのですが、紅花油(サフラワーオイル)はスーパーマーケットで購入出来ます。お料理しながら、エジプトや平安京に思いを馳せてみてはいかがですか?

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