鼠色(ねずみいろ)

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7日に立冬を迎えた日本列島は、まだ結構暖かですが、時折どんよりとした冬色の空が広がるようになりました。そんな空のような英語のグレイは、なかなかしっくりした日本語がないので、JIS(日本工業規格)では、無彩色の色名を「灰色」と規定しています。「鼠色(ねずみいろ)」は、あのネズミの毛の色を表す色で、灰色と同じ色を挿しますが、火事が多かった江戸時代には、灰=火事を連想するので、鼠色という色名で呼んでいました。

江戸時代の後期に、贅沢を禁止する法律があって、庶民の着物の色は、この鼠色と茶色と藍色のみと限定されていたのですが、オシャレな江戸の人々は、微妙にちがうにこだわって楽しんだのです。そして、「四十八茶百鼠」と言われるほど多くの、繊細にこだわった鼠色と茶色を生み出して、色名をつけていきました。

特に、鼠色は多くて、素鼠、茶鼠、藍鼠、白鼠などの他、深川鼠のような地名を取ったものや、利休鼠、源氏鼠など人物の名前に因んだものなどという色名が生まれたそうですよ。面白いですね。有名な鼠色は、また改めて、ご紹介します。

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