橡色(つるばみいろ)

橡色(つるばみいろ) どんぐり くぬぎ

子供の頃、近所にクヌギの木があって、秋になるとドングリを拾ったのを思い出します。「どんぐりコロコロどんぶりこ~♪」なんて歌いながら、友達と数を競ったりしました。そのクヌギの木ですが、古くはツルバミと言われていました。その実であるドングリや樹皮で染めた色を橡色(つるばみいろ)と言います。

どんな色になるかというと、黒っぽい灰色です。かなり地味な色ですが堅牢で、奈良時代頃までは、庶民の服の色だったようです。その後、僧衣や貴人の喪服などとして、用いられるようになったという歴史のある色名です。

この染色は、媒染によって様々あって、上記は鉄媒染で黒くなった「黒橡(くろつるばみ)」ともいいますが、通常「橡色」は、この色を指します。素染めだと、亜麻色に近い色になり、灰汁を使うと、黄系の色になって「黄橡」と呼ばれます。染色も、奥が深くて興味深いですね。

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