裏葉色(うらはいろ)
- 2014年01月11日
- カテゴリ:カラーコーディネート(色彩)
今日1月11日は、鏡開きの日です。年神様にお供えをした鏡餅を下ろしていただくことで、今年一年の無病息災を祈ります。鏡餅は、縁起のいいお飾りとともに供えますが、「裏白」というシダ植物もその一つです。鏡餅以外にも、この写真のように、しめ飾りなどにも使われています。
裏白には、表面が緑色で裏を返しても白いので「清廉潔白」、白髪になるまで「長寿」などの意味があります。また、古い葉が落ちずに新しい葉が重なって出来るので「家系代々栄える」とか、葉の模様が対になっているので「夫婦円満」なんていう説もあります。本当のところは、よくわからないという説もありますが、なんだか縁起が良さそうです。そして、この葉っぱの色が、なんとも魅力的だと思いませんか?
このような白っぽい緑の事を、今も昔も「裏葉色(うらはいろ)」といいます。私は、鏡餅の裏白を見て思い出したのですが、昔から葛の葉の裏がとても白いので、お手本のように使われています↓
こんな色です。秋の七草なので、季節外れですが、色は裏白に似ているでしょ?他には、柳の葉の裏も、色名になっています。「裏柳(うらやなぎ)」とか「裏葉柳(うらはやなぎ)」といわれて、平安時代の襲の色目にも登場します。どれも、こんな感じの色ですよ。
英語だと、「アイレスト・グリーン(eye rest green)」という色名があります。目を休めるという意味で、目に優しい色なのです。時間を忘れて癒せる色なので、待合室などにもよく使われています。
真っ赤な物を見つめていると、網膜にこの色の残像が出来るので、お試し下さい。真っ赤を30秒ぐらい見た後で、真っ白を見ると、アイレストグリーンが出現します。昔、外科医の先生は、白い壁の手術室で、白衣を来て手術をしていました。真っ赤な血を見ながら手術をするので、薄い緑のシミ(補色残像)がチラチラと邪魔をします。そのシミを解消するべく、色彩学者の提案で、手術室&手術着は、緑や青などに変更されました。最近では、赤紫もありますね。病院には、お世話になりたくないので、医療系のドラマなどで、チェックしてみてください。
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