【花色】花色ニュートラルカラー<青緑>

木の葉 青緑

先週は、花色ニュートラルカラーの「黄緑」に注目しましたが、今週は「青緑」です。晴れた日に、公園の樹の葉っぱを見て下さい。写生をされる方は、ご存知だと思いますが、同じ樹の葉っぱでも、日の当たる明るい部分は、黄緑っぽく、影の部分は青緑っぽく見えています。写実的な絵を描く時の基本ですね。このような自然の中での色の見えを「ナチュラル・シーケンス」といって、配色法などにも関連しています。黄緑に比べて、青緑はひんやりクールなイメージです。

5月4日の緑の日に、花色ニュートラルカラーの「緑」についてお話しましたが、花色ハーモニーメソッドでは、グリーン系の色を「緑」の他に、「黄緑」「青緑」と3色に分けて考えています。他のニュートラルカラーと異なり、この3色は、花色カラーサークル上にあるピュアカラー(純色)です。本当は立派な有彩色なのですが、フラワーアレンジメントのカラーコーディネートでは、グリーン系を特殊な色相と考えたほうが配色しやすいので、このシステムでは、ニュートラルカラーに含めています。青緑は、花色カラーサークルで見るとわかるように、緑と青の間にあって、その中間的な印象効果を持っています。

☆特徴☆
緑も青緑も、温度感を感じない「中性色」ですが、青緑は、緑よりも少し冷たさを感じます。青緑も緑と同様、精神的に癒されて、リラックスとするといわれています。原始の時代に、緑の茂みは、獣や嵐などから逃げ込む場所だったからか、人は緑を見ると安心します。ファッションやインテリアなど、他の分野の場合、青緑は、とても個性の強い色ですが、お花のカラーコーディネートでは、グリーン系は葉や茎の色なので、そこにあって当たり前のように感じます。ほとんどの花の色と、キレイに合わせることができます。特に、青みの強い、フォーシーズンズのクールの色のお花によく合います。

☆連想とイメージ☆
フラワーデザインに関連のある連想としては、まず森や林、庭などの自然。冬枯しない樹をエバーグリーンといいますが、洋の東西を問わず縁起がいいとされています。それらの色は、青に近い緑ですね。クリスマスのもみやヒバ、杉、お正月の松などの色です。深い静かな森や厳粛さなどを、連想する色です。

☆フラワー作品への取り入れ方☆
・ナチュラルな作品:フラワー作品のイメージには、自然的なものと人工的なものがあり、またその中間もあります。そのイメージを大きく左右するのが緑の配分です。緑を多く取り入れると自然的な作品になり、逆に全く入れないと人工的で斬新なイメージになります。青緑は、青みが強いので、フォーシーズンズのサマーの色と合わせるとエレガントな作品になります。また、ウインターのビビッドな色にも、よく合いますよ。
・癒せる作品:青緑の作品は、リビングルームなど癒されたい場所に最適です。疲れた眼にもいいので、オフィスの休憩室などにもオススメ!青みが強いので、冷静な気分になり、気持ちを落ち着かせてくれます。待合室などにも、ピッタリです。
 ・クリスマスの作品:クリスマスパーティーなど、楽しいイメージのクリスマスには黄みよりの緑が似合いますが、厳粛な聖なるクリスマスには、青みの強い緑が良く似合います。クリスマスツリーでお馴染みのモミの木や、リースの花材によく使われるスギやヒバの仲間などを使うと、落ち着いた作品になりますよ。
 ・お正月の作品:お正月に欠かせない松の木は、古くから縁起がよいとされています。品種の多い松ですが、松葉のほとんどが青っぽい緑です。千両の葉や菊の葉などにも青みの強い物が多いので、上手く取り合わせて、凛とした新年を表現しましょう。

☆青緑の花☆
葉物の色に多い青緑ですが、花が青緑の植物は、ほとんどありません。プリザーブドフラワーや造花では、グリーン系の花も豊富に発売されているので取り入れてみましょう。青みの強い「青緑」に着色された花は、人工的で、非現実的なイメージの作品を作るのにオススメです。個性的なデザインに、チャレンジしましょう。

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