菫色(すみれ色)

すみれ バイオレット

菫って漢字、難しいですね。そっと野に咲く可憐な花は、ひらがなの「すみれ」のほうが、ふさわしい気がします。すみれの仲間は、世界中に自生していて、約500種ぐらいあるようです。日本でも、万葉集に登場するぐらいなので、かなりの昔から各地に自生しています。この写真のすみれは、万葉の時代にも咲いていそうな風情ですが、園芸用の外来種には、結構華やかなものも見られますね。「菫色」という色名も歴史が古く、平安時代から使われていたようですが、この写真のような青紫を指します。

英語では14世紀から、すみれの花の色を「バイオレット」と呼び、同じ青紫を指しています。色の世界と関係が深いのは、17世紀にニュートンがスペクトルを発見したときに、この色名を使って「光学」の中で発表したのです。有彩色の分類 色相編にも書きましたので、ご参考になさってください。スペクトルは虹の色と同じで、本当は、ずーっと連続しているのですが、ニュートンは7色に分けて説明しました。ニュートンはイギリスの物理学者なので、英語で、バイオレット・インディゴ・ブルー・グリーン・イエロー・オレンジ・レッドと区別しました。それを日本語に訳したのが、菫・藍・青・緑・黄・橙・赤・・・・藍と菫は慣用色名なので、最近の書籍では、菫を青紫に統一して表記されています。ニュートンが、この発見をするまで、人々は、色は神様が創ったので混ぜると罰があたるなどと考えていました。初めて色を、科学の眼で捉えた人なのです。偉大ですね。

外来種は、秋から春まで長~い間、ガーデニングなどで楽しめますが、写真のような楚々とした日本のすみれは、ちょうど今頃、3月から5月頃に咲きます。この機会に、一度さがしてみてはいかがですか?

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