若草色(わかくさいろ)

草

とっても寒かった2月も、月末には少し暖かくなるようです。先週ご紹介した「萌黄色(もえぎいろ)」は、早春に、木の葉や草が萌出る時の黄みの強い緑を指す色ですが、その後、春に向かって成長した草木の色を「若草色(わかくさいろ)」と言います。ちょうど、この写真ぐらいの鮮やかな黄緑です。この「若」という字は、形容詞の働きをしていて、若々しい鮮やかなトーンというような意味があります。

他にも、「若緑(わかみどり)」は、鮮やかな緑、「若竹(わかたけ)」は、青竹よりも薄く鮮やかな若い竹の色を指しています。植えたばかりの「若苗色(わかなえいろ)」や、若い木の葉の「若葉色(わかばいろ)」なども、色みは少しずつ違いますが、どれも鮮やかなトーンです。「苗色(なえいろ)」になると、成長した苗の緑を指して、少し落ち着いた色になります。

「苗色」や「若苗色」は、平安時代からある色名ですが、「若草色」は、明治時代になってから生まれたようです。年明けに、春の七草についてご紹介しましたが、その色を「若菜色(わかないろ)」ともいい、「若草色」とほぼ同じ色の事をいいます。「若苗色」は、「若草色」より少し青みのグリーンになりますよ。

同じ春の草木にも、微妙に違う色に感銘を受けて、古くから多くの人が色に名前をつけてきたのでしょうね。個人的に「若草色」からは、小学校の図書館で読んだ「若草物語」と、遠足に行った奈良の「若草山」を連想します。「若草物語」を読みながら、当時は遠い遠い、別世界だったアメリカの家庭の庭の「若草色」を思い浮かべた事を思い出します。暖かくなったら、久しぶりに若草山へ出かけてみましょうか?若草色を満喫できますよ。

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